【2006.Nov.28 pion7】 【last update 2007 Mar.7】どもっ
◆ 特 定 負 担 と 特 定 利 益 ◆
『商品の購入者はその販売の対象となる商品それ自体だけでなく、特定負担と特定利益に着目して、当該商品を購入するかどうか決めているのであり、連鎖販売業を主宰する者においても、商品購入者のこのような姿勢を予定、利用して、商品の売上げを伸ばし利益を図ろうとしていることは明らかである。
したがって、主宰者側において、特定利益を強調し、特定負担を隠蔽しようとする傾向が生じるため、商品購入者の判断を誤らせることのないように特定利益及び特定負担の内容を明示させるべく法規制を加える必要性が生じることとなる。』(判決文部分引用) |
これは、"大阪高等裁判所の判断”の一文である。勧誘された人が、その販売の対象となる商品を買うか否かを決める際、「どれくらいの金銭的負担があり、どれくらいの収入が見込めるか」に着目しているという。
特定利益と特定負担は、勧誘を受けた時から直面する最大の問題であり、間違って理解すると後々大変である。特定負担とは、次のように説明できる。
特定利益は、一定期間内で所定・所定以上の実績をあげれば、それによって算出される。しかし、算出されたボーナスが必ず手に入るとは限らない。
特定負担である、「オンライン設備利用料の支払い」・「Cube振替(Cubeについては後述する)」・「一定期間内に一定額以上の通販購入」・「一定期間内に研修(有料)を受講し受講票を提出」。これらの条件をすべてクリアーしていなければならないのだ。
付け加えるならば、Uフォンを通信端末機として利用していなければ、特定利益を得ることが出来ない。最終的には、司法の判断を仰がなければならないが、OCN利用料金の金銭的負担も、特定利益を得るための負担金として認められる公算が高いだろう。大阪高裁の判断を当て嵌めればこうなると思われる。
| どのような理由にせよ、その金銭的負担が、当該連鎖販売取引に参加した場合、拒み得ない金銭的負担であれば、それは特定負担である。OCNを利用して、通販したり、コミュニケーション・ツールとして使う者がいるからといって、上記判断が左右されるものではない。 |
このビジネスを始めるならば、OCN利用料金の支払いは事実上拒み得ない。つまり、ある特定負担の条件を満たすために、OCN利用料金が負担となっていることに気づくのだ。加えて、OCN以外に選択の余地がないことも挙げておく。
この連鎖販売取引では、様々な名目の特定負担が幾重にも用意されており、それらがすべて満たされないと特定利益が得られない仕組みになっていることが分かる。そのような特定負担と特定利益を誰にでも分かるように明示することが求められるべきである。
そして、OCN利用料金が特定負担ならば、クーリングオフ対象とすべきである(現在は対象外)。 |
◆ 取 引 条 件 の 変 更 ◆
| 取引条件の変更とは、〜商品の販売価格、〜特定利益の授受についての条件の変更等のことである。〜下位のランクから上位のランクへの昇進は、一般的には、法の「取引条件の変更」に該当する。(省令) |
「特定利益の授受についての条件の変更等」とあるように、特定利益が変更される時、合わせて特定負担も変更されることが多い。
報酬プログラムは、昇格のための条件や販売実績によって得られる収入金額等、"当該連鎖販売取引"の中核をなすシステムである。契約当初より、特定利益の分配方法や昇格条件等を"一体の取引"として説明している。
ところで、報酬プログラム・昇進条件・特定負担そのものが変更されたり、廃止されたり、新たに設けられると、「取引条件の変更」に該当することは、もはや議論を待たない。
(株)フォーバル総研の時代、(株)エイジェイオーエルの時代、その間に、報酬プログラムの変更等は何度も行われた。mojicoの価格が変更になったり、新たな特定負担が設けられたり、代理店規約・会員規約等が何度も改定された。
そういった取引条件の変更を行った際、代理店への通知は行うも、書面を改めて交付することは行っておらず、取引条件の変更内容を十分に説明したとはいえない。
これは、『取引条件の変更があった場合、改めて、取引条件を説明したうえで、新たに書面を交付することが必要となる。』の要件を満たしていないことになる。
| 連鎖販売取引では、書面によってすべての契約内容を明らかにすることになっていることを挙げておく。特に、特定利益と特定負担は、連鎖販売取引の重要な契約事項・取引条件であるから、追加・変更・改訂等があった場合、速やかに、新たな書面※を交付し、その内容を説明して契約者に理解させることが主宰者の責務であろう。 |
◆ 共 済 会 と 責 任 準 備 金 に つ い て ◆
(保険業法)
| この連鎖販売取引は、無認可共済も手がけていたが、平成18年4月1日から新たな保険契約者等の保護の施策として「少額短期保険業」制度が導入され、本共済の事業を行っている共済会は、保険業法上、「特定保険業者」と定義された。原則として平成18年9月末までに当局への届出義務が発生すること、保険業法の規制のうち、主なものとして、業務運営に関する措置(法100条の2)、業務報告(法272の16)、保険募集に関する規制(説明に関する法294条、禁止行為に関する法300条第1項)が適用(一部適用除外あり)され、また当局の権限として、報告徴求、立入検査、業務改善命令、廃業命令等がある。 |
現在、この連鎖販売取引は「共済」の新たな加入者募集は行っていないが、既加入者との契約をどう処理しているのか不明である。もし、かもめ共済(U共済)を継続するつもりならば、関東財務局に届出を行っているはずだが確認できていない。
AJOLの時代、共済の掛け金が特定負担であったことは前述した。このまま、この共済会が解散に向かうにしても、30億円とも伝えられる共済の責任準備金の行方がどうなるのか気がかりだ。
共済金のスムースな支払いのために再共済をかけたり、責任準備金制度というものがある。特に、責任準備金が、なし崩し的に"ウヤムヤ"になることは絶対に許せない。
財務局に届出を行っていなければ、いずれ共済会は廃業せざるを得なくなる。その時、共済掛け金の払い戻しや、この責任準備金の精算をどうするのか?。あるいは、払い戻しも精算もしないのか?。(廃業の場合も、一方的に営業を停止すれば問題である。)
また、後述するように、通販の決済制度であるCube積立金の管理をどこに移すのか?。きちんと説明を行うべきであろう。 |
◆ C u b e と そ の 残 高 に つ い て ◆
(割賦販売法・前払式特定取引)
| 通販活性化という名目で2001年秋に導入されたCube制度。毎月、決まった額を代理店・会員の口座から引落し(引落手数料は代理店・会員が負担)、1円=1Cubeとして積立てておき、通販購入費を決済する時に、そのCubeで行うというもの。また、前払い商標であるCubeギフト券(発行券の額に手数料が必要)の発行も行っている。 |
通販利用者の利便性を上げるために創設された制度といわれるが、同時に連鎖販売取引に参加する者にとっては「特定負担」でもある。本来、通販の決済に活用されるため、積立額が極端に増えるはずが無いものである。しかし、2005年秋の時点で、Cube積立額は20億円とも30億円ともいわれる。
| 残高が1000万円を超えているので、経済産業大臣の許可が必要。これは、「金額が1000万以上あるか」、「他の法令と重複している部分があるか」、「指定商品に関しての問題」という法律上の制約がある。 |
UUオンラインに接続し、そこで決済を行うだけのシステムなので、Uフォンが使えなくなった退会者にとっては非常に不便である。退会しても一切返金されないので、残っているCubeを場合によっては、退会者は放棄することになる。
Cubeは、元をただせば代理店・会員の口座にあった現金である。退会等によって、使われなくなったCubeは、健全な経済活動による会社の利益とはいえない。
Cubeとして振替られる額を途中で増額したり、Cubeの使用を「特定負担」として付け加えながら、Cube残高が増え続けるのは異常であり、実態としては単なる「集金システム」と化していると言われても仕方ないであろう。
退会者へCubeの返金が出来ないのなら、会社はCubeを使いきってもらえるよう手配すべきである。通販用カタログとCubeの使い方、商品の購入申し込み方法等を退会者に送付し、最後までサービスを提供しなければならない。 そして、このCube残高を管理しているのが「かもめ共済会(U共済会)」である。何故、共済会が、通販に関わる決済制度の金銭を管理しているのか理由が不明だ。共済の責任準備金と、このCube残高を合わせると、実に多額の金銭が共済会によって管理されていることになる。
こういった多額の金銭がプールされていることを財務表でも明確に出していただきたい。 |
◆ PPOL株の売買と、株主、株の動向について ◆
(証券取引法)
2002年(平成14年)7月11日(日本経済新聞)
米法人、子会社に
情報通新機器販売会社のフォーバルは10日、米教育関連会社、ディバーシファイドストラテジーズ(DSI)を子会社にしたと発表した。DSIは「PPOL」に社名変更し、フォーバルグループの海外での資金調達業務に当たる予定。DSIはフォーバルに対し新株を発行し、フォーバル側はその見返りとして別の子会社、エイジェイオーエル(東京・渋谷、青田吉弘社長)の株式5千株を譲渡した。株式の時価評価額と簿価の差額6億2,500万円をフォーバル単体の特別利益に計上する。 |
2003年10月、アメリカ法人のPPOL,Inc.(AJOL社の全株持ち株会社)は、OTCBBにPPOL株を公開。同11月から、AJOL社の代理店・会員に向けて1株を300円〜350円で株売買を始めた。用意し、売買した株式総数は確認されていないが、代理店からの購入申込が殺到して完売したという(事務局通達)。
2004年3月には、「PPOLの株を27.13%保有するLEO GLOBAL FUND LTD の厚意により、1,000,000株を用意」している(事務局通達)。
『PPOL株ご紹介キャンペーン』というタイトルで、「2月度に、勧誘実績を出した代理店は、この株を購入できる資格を与える」というアナウンスを出し、同年6月にも、連鎖販売取引による実績と株売買をリンクさせた事業を行っている。
2004年8月、「PPOL株購入申込窓口ならびに金銭振込口座の管理は、かもめ共済会が行います。(事務局通達)」とし、同年10月には、PPOL株の事業が勧誘トークに用いられていることを思わせるような「PPOLは、NASDAQに上場している。PPOL株は増資される。PPOL株の配当がある。PPOL株は、上がる。」、「上記に関連するトークは、誤解や無用な問い合わせを招くためご注意ください」というアナウンスが事務局よりあった。
取締役、役員の辞任:役員の選出:役員の承認
2004年11月12日。
PPOL社の取締役会は監査委員会に対し、Leo Global Fund が日本の証券取引法に違反して、日本人にPPOL株の販売を行ったか否かを調査するよう承認した。
株公開直後、LeoはPPOLの発行済み普通株の35%以上を所有していた。
監査委員会はLeo の株販売の事実関係及び関連法律を調査し、以下のような結論を出した。
- Loeは事実上、所有するPPOL株の大部分、350万株以上と思われる株を約6000人の日本人に1株3〜4ドルで販売した。
- Leo は、AJOL社の会員に株を販売する目的で設立されたものである。
- Leo の独断によって株販売が行われた。それは日本の証券取引法に違反し、その責任はLeo に帰結する。
- AJOLの会員への株販売は、AJOLによって行われた。
- これは、証券行為である。株の販売を行うためには、日本の証券取引法のもとに登録をすべきであったが、AJOLは無登録で行った。
- PPOLは、Leo から何の報酬も資金も受け取っておらず、日本の証券法に違反していない。LeoがSECの申請義務を怠った行為であると信じている。
委員会・審議会の調査とその結果報告の後、青田吉弘氏はPPOLの役職を辞任した。
その辞任は2004年12月14日付けで取締役会により受理され、さらに同氏は2004年12月31日をもってAJOLの社長も辞任する。
加えて、2004年12月14日付けで、高田氏の辞任も受諾した。
PPOLの取締役会は、青田氏の辞任によってAJOLの運営に不利な影響は出ないと考えている。
現在のAJOLの役員は同社の方針、業務形態に沿った効率的かつ十分な業務を行う事が可能であり、AJOLの役員たちの中に、青田氏の代わりとなるべき優れた者がいると考えている。 |
これ以後、PPOL株について言及がなく、この連鎖販売取引においてPPOL株を語ることは、もはや御法度となっている。約1年の間、証券行為を無登録で行い、売れるだけ売って突然止めてしまったのだ。そして、突然の社長交代劇。通達文で述べられた理由は、PPOL株売買のことではなかったが、その前月には上記のような記事が、OTCBB−PPOLボードに掲載されていた。
特定商取引法・連鎖販売取引だけでなく、証券取引法にまたがる重要な案件であると見るが、このことを、どれだけの代理店が知っているのか?。
所轄の関係機関が、この行為を黙認したとは思いたくない。ペナルティがあって然るべきであり、この違法行為は、広く世に公表されるべきである。 |
消費者と連鎖販売取引の接点である「勧誘」の部分は比較的知られているが、組織の中で何が起きているかは、なかなか分からない部分もある。連鎖販売取引はビジネスの一形態とはいえ、見聞きする情報を"話半分"として見ても特異な世界だろう。
商売に、人の心の"弱さ"と"強さ"を巧みに利用しているのは、ほぼ間違いなく、精神面・人間関係面に強い悪影響を受けてしまう恐れもある。決して、興味本位でも関わり合いたくない世界だ。
この連鎖販売取引も設立から10年を過ぎた。内部からもいろんな情報が漏れはじめ、今なお、苦情のカウントを刻み続けている。
- 注釈(1):文中、「代理店」と「連鎖販売取引を行う者」を同義語として使用する場合がある。主として、「連鎖販売取引を行う者」は、実際に特定負担を負い、特定利益を得ている者、あるいは特定利益を得ようと活動している代理店を指し、普通に「代理店」と表記している場合は、活動を停止している単なる入会者のクラスを指す場合がある。前後の文章から判断して頂きたい。
- 主務大臣に対する申し出(様式:PDF版) 〒330-9715 さいたま市上落合2-11 関東経済産業局産業部消費経済課 TEL(048)601−1239。
- 金融庁 関東財務局 東京財務事務所:03−5842−7011
- 消費者団体訴訟制度(消費者契約法改正 平成18年6月7日公布、平成19年6月施行)。
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