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◆違法行為に対する逃げ道【2006 Aug.30】

 マルチ商法は、人から人へ、個から個へ…連々と続く組織構造を持っています。これは、ディストリビューター(以下、「DT」という)の人脈をつたって勧誘が行われ、DT契約が、人脈の映し鏡となり、そのまま組織の構造を構成するからです。

 組織構造を見れば、勧誘の手順を見て取ることが出来るでしょうね。そして、その組織全体が一定の期間に生み出した収益の一部が、報酬プログラムによって算出され、You に支払われます。

 より大きい組織、より多くの商品、より利益率の高い商品が組織内で売れると、それに見合った報酬額がYou の手元に入るのは一目瞭然です。

 したがって、You が自分一人で会員・DTを増やそうとするより、DTを増やしてくれるDTが組織内に居てくれた方が良い理屈になります。

 一人よりは十人、十人よりは百人、百人より千人。自分が勧誘活動を直接するより、光くん(放って置いても組織を大きくしてくれるDT)が勝手にやってくれると実に楽です。マルチ肯定本は、ここを力説します。

 光くんは光くんで、自分の組織を大きくしていると思っているのですが、それが同時に「アップ」の組織拡大につながっているのがマルチ商法です。組織拡大・会員・DT獲得による報酬は、必ずアップに反映されますので、アップは堪えられないでしょう。

 そうして組織を大きくすることが、マルチ商法で金(報酬)を手に入れる一番の近道です。ダウンラインを持たないDTとダウンライン(下位組織)を持つDTとでは、報酬額に雲泥の差が出ます。

 マルチ商法で報酬(金)を手にするには、ダウンを作り、そして大きくせよ!_に尽きます。だからこそ「勧誘活動」を興すのです。報酬プログラムも、暗にそれを奨励しています。

 組織がある程度大きくなると、You は「会ったこともない」「聞いたこともない」DTの存在が生まれます。友だちの友だちの友だちの友だちは"赤の他人"とう図式です。

 建前として、You は下位組織・DTに「マルチ商法の手ほどき」を教育する義務を負います。しかし、特商法を知らなければ、You は間違った教育をするかもしれません。

 このマルチでは、『勧誘の成功率を上げるための数々の策』は教育されるようですが、特商法等に則った「正しい勧誘の仕方」を教育している様子はうかがえない。それが残念です。

 勧誘活動に熱心? な余り、組織下部の方で違法行為が起きても「会ったこともない」他人のDTが起こした消費者問題は対岸の火事。いや、違法行為が起きたことさえ知らない事が多いでしょう。

 たとえ、問題発生を知ったとしても、You のアップは責任を自ら取ろうとしないし、DTの組織の頂点に立つ「統括者(以下「会社」という)」は問題解決の仲介はしても、DT契約に則って「当事者間による解決」を促すだけです。

 『責任の所在』、最終責任者が誰なのか?。契約権を持ち、商標権を有し、商材を用意し、DTへの報酬を分配している会社が最終責任者である−−−と、ハッキリ打ち出しているマルチは少ないのです。

 このマルチに限って言うと、消費者問題の解決は、その問題を引き起こしたDTが行うことになっています。返金が必要な場合は、そのDTがする。損害賠償も当事者であるDTが行うことになっています。

 契約が一応成立し、会社がそれによって金銭を取得していても、会社が金銭を弁済したり、契約の破棄をしたり、原状回復に率先して行動をとる義務を負いません。消費者問題はDT当事者が起こしたことであり、会社は勧誘現場のことなど関知しないことになっています。

 「人間は過ちを犯すものだ」のような意味を社長が仰っていますが、消費者問題勃発という過ちを犯した時、その解決方法の具体的な指南はされていません。

 「本当に違法行為が行われたのか?」、「被勧誘者とDT双方の意見を聞いて〜」第三者的に(会社が)判断することは大切ですが、グレーゾーンでは少なくとも何もしてくれません。黒をハッキリさせる裁判を通しても、会社は異議を唱え続けるのです。


 昔、「統括DTは、組織で起きた消費者問題に責任をもつ」という意味の通達が出されたことがあります。統括DTは、ある程度の組織を持ち、それなりに報酬も貰っている地位あるDTです。

 つまり、あらゆる消費者問題を統括DTまででせき止め、会社に降りかからないように画策した訳です。たった1つの通達文で、「会社は責任を取らないので、DTで解決して下さい」ということにしたのです。

 契約権を持ち、それによる金銭は取得して利益を得ているのに、ひとたび問題が起きると、責任はDTに押し付ける。いいとこ取りですね。ある意味、マルチ商法のダークな部分が会社に不利益とならないよう運営していると言えましょう。


 マルチで得られる報酬(収入)は、そのDTが持つ下位組織によって生み出され・支えられているのは疑う余地の無いものです。その組織がクリーンな活動を行っているなら、上位のDTが手にする報酬は、プログラムによって公平に分配されたものであり、何ら問題はありません。

 しかし、もし違法行為が行われたら、それがたった1つの事例であっても、手にする報酬は汚れたものになるでしょう。少なくとも、「正当な報酬ではない!」と思わなければなりませんね。

 違法行為−悪いことをしたのは私ではなく、下位組織のDTだから知ったこっちゃない。報酬は貰うが、問題を起こしたのは当事者DTだ。

 報酬プログラムは、大きな組織を持つ上位DTになればなるほど収益性が高いことを示し、上位DTは下位DTに『勧誘成功率を上げるための手ほどき』を教える。

 消費者問題などの問題が起きた際には、自己責任として当事者DTに解決を負わせる。収益・報酬を上げるためのテクニックを教えつつ、(消費者問題を)やってしまったら自己責任。

 自己責任も、他者の自己責任は言うけど、自分の自己責任は言わないのは、変だと思いませんか?。何か、会社・上位DTにとって都合の良いように体制が作られているような気がしてなりませんな。こういう体制に作り易いのもマルチ商法の特徴の1つなのかもしれませんが…。


 「会社をあげて問題が起きないよう、問題が起きたら解決に取り組んでいる」のが普通ですし、それが社会常識です。1つの問題を契機に、全体のDTへ再教育を施し、同じ過ちを起こさないようにするのが普通でしょう。

 一般の会社では、たった一人の社員・部下が起こした不祥事でも会社全体で責任を取ります。確かに、社長が仰るように「人は過ちを犯すもの」です。問題は、起こした後の対処の仕方です。

 しかし、このマルチでは、DT組織は会社外組織として扱っています。また、前述したように、DTと会社の間に雇用関係を作りません。

 DTを「一個人事業主」という立場に据えているのです。そうした方が、会社は"消費者問題"に対して逃げを打ちやすいからでしょう。会社は、「それは駄目」「これは駄目」「それも駄目」…と通達を出しまくって「教育」としています。

 『これだけ、DTに対してやってますよ』という事実を作っておかないと弁解できませんからね。違法とは言えませんが、非常にグレーなやり方だと思います。

 すべてのDTに対してそれを貫き通しているならまだ良いのですが…。ま、ぃぃ目を見ているのは、DT組織の上層部でしょうね。

 「自分は消費者問題など起こさない」と思ってるDTも多いみたいです。だからこそ、「消費者問題を起こしたら自らの責任で解決する」に、「○はい」とお気楽に印を付けるのだと思います。

 それにつけ込み、「代理店(メンバー)登録申込」で、誓約を簡単に取りつけていることの方が問題だと思います。会社はその事の重要性を認識しているけど、登録しようとしている素人に、その重みが理解できているのかどうか甚だ疑問ですな。
 マルチ商法は欠陥だらけだと考えています。その欠陥を上手く使い、グレーゾーンに埋め留めることが、この商法を運営していくコツです。

 今まで、グレーゾーンの部分が法律によって「禁止行為」にされてきました。最近では、「ブラインド勧誘の禁止(目的隠匿型勧誘)」が有名です。しかし、法律違反のみならず、迷惑行為があっても、その問題が表面化し難いのがマルチ商法です。

 理由はいたって簡単。DTの商売の相手が親しい人だからです。

 そういった人間関係・人脈を喰い潰していくのがマルチ商法です。勧誘成功率を上げる方法を教わるということは、美味しく喰える方法を習っているようなもの。その方法で、You も喰われた訳です。

 喰われたことも知らずに喰いに行くなら、無知の証でしかありませんね。それを上から見ながら、金を手にしている者たちが居る−−−それがマルチ商法。

騙される方が悪い

 この会社は様々な禁止事項をDTに通達しています。『NTTに関連したもの』、『儲かると話してはいけないこと』、『深夜の勧誘は禁止』、『断られたら直ぐに退去』とか、多岐にわたります。

 それら通達がDT全員に伝わり、DTに守らせる教育を行い、絶えずそれらが正しく機能しているかチェックしているかどうかは不明ですが…。

 「騙される方が悪い」とは、うかつにDTが言う言葉ではありません。逆から読めば、『DTは騙そうとしているのだよ』という意味になりますからね。くどいようですが、マルチの実態は【勧誘の現場】にほとんど有ります。

 そこでは、「如何に、騙されていることを悟られずして上手く丸め込むか」という手法がいたる所にある筈です。

 「会社は言ってはいけないと言ってますが〜」
 「私が思うに〜」

などは初歩の初歩です。マルチの勧誘では、そこで行われる説明の総てに疑いを抱いて聞いた方が良い。それぐらいで、ちょうど釣り合いが取れると思った方が無難です。

 勧誘の場で興奮状態に陥ったら、上手く丸め込まれた証拠です。本人にその自覚はないでしょうけど。簡単な資料と、うまい言葉だけで思い込まされた状態は、まさに「騙された図」ですね。

 契約へのサイン・アップがその場で求められるのも、そういった興奮状態が冷めない内にDTとしてスタートさせ、後に引き返せない状況を作り出すためです。「騙された」と分かっても、「もう契約しちゃった」と諦めさせる訳です。

 「勧誘したら契約するまで帰さない」。もし、契約させずに解放すれば、翌日には勧誘成功率が半分以下に落ちます。三日も経てば、ほとんど全滅。これでは、何のために勧誘したのか分かりません。

 ま、数日経てば賞味期限が切れてしまうのが「マルチの勧誘」だといって過言ではないでしょう。騙すためには、一気に畳み込むのが鉄則です。冷静になる時間を与えず、他の対抗する情報に触れさせないことが条件です。

 マルチの場合は商材(商品)が必ず有ります。その商材が本当に欲しいのか?_それを最低三日間、冷静に考えること。『欲しい』と思い込まされていないか!、じっくり考えることが大切です。

 その時間と場を与えてくれないマルチは、貴方を【騙そう】としていると断言して構わない。どんなに親しい親友が勧めてくれた話であっても・・・。それがマルチというものです。